今回は、投資家目線で選ぶ、おすすめの海外移住先をランキング形式でご紹介します。
富裕層の方や投資家の方向けが気にする、タックスメリットが大きい移住先という観点で抜粋をしていますので、基本的には投資家ビザや、法人を設立して就労ビザを取得するといった形をとって移住するということを念頭に置いております。
*現地の企業に就職する、留学で学生ビザを取るといった方法は考慮していないことをご理解ください。
また、評価には個人的な価値観も含まれております。ご容赦ください。
今回の評価基準
- 住みやすさ(5点満点)
気候・言語・治安・医療・教育の水準について - 物価(3点満点)
物価が高いのか安いのか? - ビザの取得条件(4点満点)
ビザが取りやすいかどうか?投資家向けのビザがあるかどうか? - 税率(8点満点)
投資益の税率や所得税、法人税が高いのか低いのかどうか?
合計20点満点で評価をした中でトップ5の国をご紹介していきます。
第5位 ポルトガル
住みやすさ:★★★☆☆
物価:★★★
ビザの取得条件:★★★☆
税率:★★★★☆☆☆☆
合計13点 / 20点
ヨーロッパなのに物価は満点なんだね〜!気になる!
詳しく教えて♪
住みやすさ
地中海性気候で非常に過ごしやすい気候です。近くにカナリア海流という寒流が流れているので、比較的涼しいのが特徴です。
夏は20℃前後と涼しく、冬もそれほど寒くならず10℃前後。気候面ではかなり快適に過ごせる国だと言えるでしょう。
何よりものメリットはEUへのアクセスが可能ということです。
ポルトガルはEU及びシェンゲン協定に加盟していますので、ポルトガルに移住するとEU各国への移動が自由になります。
治安は割と良く、英語も比較的通じます。
主流の言語はポルトガル語ですが、英語教育が進んでいるので、ある程度は通じます。教育水準はEU圏においては普通です。
医療レベルはヨーロッパの中では低水準なので、ここが一つネックではあります。
物価
物価は日本よりも安いです。特に西ヨーロッパ諸国の中でポルトガルは最も物価が安いと言われています。コーヒーが大体0.8ユーロ、日本円で100円ぐらいなので、物価が軒並み高いヨーロッパの中では物価がかなり低いと言えます。
ビザの取得条件
ポルトガルでは不動産を購入すると、投資家ビザ( 通称「ゴールデンビザ」)を取得できます。
不動産投資などでビザを取得できるのは投資家の方にとって非常にメリットでしょう。
およそ28万ユーロ(3,800万円)以上の対象となる不動産を購入すると、ゴールデンビザを取ることができます。
制度変更が行われた2020年の1月以降は、それ以前と条件が変わっています。
首都のリスボンやポルトといった人気エリアの不動産、特に居住用の不動産は、こちらのビザを取るにあたっての対象外となりました。
つまり、都心や人気エリアでは無く、もっと郊外のエリアで不動産を買ってください、または居住用不動産じゃなくてホテルや施設に投資をしてください、という国の方針が反映されたことになります。
税率
ゴールデンビザの取得者は、個人所得税率が一律20%となります。
通常ポルトガルの税率は最大48%ですが、ゴールデンビザ保有者は20%ということで、所得税のメリットが大きくなります。
また、株やFX等の金融所得については原則非課税です。個人の仮想通貨取引に関しても原則非課税という点も非常にメリットでしょう。
- 税制は随時変更される可能性がありますのでご注意ください。
第4位 ニュージーランド
住みやすさ:★★★★★
物価:★★☆☆☆
ビザの取得条件:★★★☆
税率:★★★★☆☆☆☆
合計14点 / 20点
住みやすさ満点は魅力的!アン子も移住しちゃおうかな〜
住みやすさ
西岸海洋性気候という気候区分で年間を通して冷涼です。寒暖差が小さく、オークランドでは夏は23℃前後、冬は13℃前後と年間を通して非常に過ごしやすい気候にあると言えます。
先進国で治安も良く、公用語は英語となっています。
教育レベルが非常に高く、起業家教育も熱心に行っている国の一つです。さらに医療水準も高いので、住みやすさは非常に良いと言えるでしょう。
物価
物価は日本よりもやや高め、牛乳が1リットル215円ぐらいです。
ニュージーランドの不動産への投資も人気で、特にコロナ禍においてニュージーランドの不動産が、アジアの富裕層から多く買われています。今後は不動産の価格が高騰して、住居費が上がっていくだろうという点が、一つネックになりそうです
ビザ取得条件
ビザを取得する上で、一番オーソドックスな方法が、法人を設立して就労ビザを取得するという方法です。
ニュージーランドには、ポルトガルと同様に投資家ビザもあります。さらに投資家ビザの延長で永住権の取得も可能です。
決められたエリアの不動産に投資することによって、投資家ビザが取得できます。それを何年か継続して保有し、各取得条件を満たせば、将来的には永住権が取れる制度になっています。
ただし、永住権の取得には、英語のテストがあるので、ある程度の英語力が求められるという点は知っておいてください。
また、今までは投資家ビザの延長で永住権を取るのが一般的でしたが、2021年の秋に永住権の条件緩和が発表されました。
これはどのような条件かというと、3年以上ニュージーランドにて、就労ビザで勤務を続けている、時給が27ドル以上の比較的高所得の方、そしてニュージーランド政府が指定している人材不足の業種の勤務者であれば、永住権を取れるということです。
今までの投資家ビザの延長から比べると、だいぶ永住権取得のハードルが下がったということで話題になっています。
税率
法人税は28%で普通、個人の所得税も最大33%とあまり低税率というわけではありません。インカムゲイン(金利や配当)は所得税の対象になりますが、キャピタルゲイン(譲渡益)については非課税という点はメリットです。日本ではキャピタルゲインに対しても約20%の課税があります。
そこまで税率が低いわけではないですが、治安や住みやすさなどを考慮すると、ニュージーランドは非常に魅力的な移住先と言えます。
第3位 シンガポール
住みやすさ★★★★★
物価★☆☆
ビザの取得条件★★☆☆
税率★★★★★★★☆
合計15点 / 20点
シンガポールは税率の評価が高いんだね〜!
アン子もたくさん稼いでるからチェックしなきゃ
住みやすさ
ほぼ赤道(北緯1度)に位置するので、気候は年中温暖です。
年間を通して、夜は24℃、日中は30℃前後で、日本の夏ほど暑くはありません。
南国が好きという方にとって、シンガポールの気候はとても快適です。
シンガポールはアジアで一番の先進国であり、治安が非常に良いことで有名です。
また、グローバル人材が集まる国なので、英語が公用語になっています。
さらに教育や医療も最高水準、インターナショナルスクールも発達しています。
さらに、日本との時差が1時間という点もポイントです。海外から日本向けにビジネスをする場合、日本との時差が障害になりやすいですが、シンガポールは時差が1時間しかないので、あまり気になりません。
物価
物価は非常に高く、東京よりも高いです。
不動産も高騰しており、東京の港区よりも高いというようなイメージです。自動車の関税が高く、世界一自動車の価格が高い国ということでも有名です。
狭い国なのでナンバープレートを取るだけでも数百万円単位のお金がかかります。高級車を乗り回したいという方は、日本の2倍ぐらい支払わないと乗れないので、そこはデメリットだと言えます。
ビザの取得条件
シンガポールのビザ取得は、学歴と収入の条件が非常に厳しいです。
学歴によって、収入の条件が変わっており、日本の早慶・旧帝大以上の大学を出ているという方は有利にはたらく傾向があります。シンガポールに移住する場合は、法人を設立して就労ビザを取得するというのが一般的です。
または、過去に大きな事業実績がある方は審査に通りやすいです。
例えば、大きな会社の経営実績がある方は、250万シンガポールドル(約2億円)以上を投資することによって、投資家向け永住権を取得することが可能です。
シンガポールとしては、事業・会社を売却してエグジットした方を想定して、このような制度を作っています。
これまでにある程度の規模の事業・会社経営をしてきた方は、投資家向けプログラムなどの国の制度もあるので、そのようなものに申し込むのも良いでしょう。
税率
シンガポールの法人税率は17%となります。
アジアの中では香港に次いで低い税率となっています。軽減税率の制度があるので、最大8%台まで下がります。
個人の所得税は0~22%の累進課税で、それほど高くありません。最大税率が32万シンガポールドル(約2,560万円)くらいの年間所得がないと最大税率にはなりません。
日本と違って住民税はありませんので、高所得の場合でも、最大22%の所得税を納めればいいということになります。
株やFX等の金融所得に関して、シンガポールでは原則非課税です。ただし、仮想通貨に関しては1年以上の長期保有後の譲渡でないと非課税になりません(つまり、短期売買の場合は課税対象)ので、仮想通貨取引に力を入れたい方は注意が必要です。
第2位 マレーシア
マレーシアは日本人が多いのが安心♪
物価も安くて、他の項目も評価が高いんだね〜!
住みやすさ
マレーシアはシンガポールのすぐ北にあり、年中温暖で過ごしやすい国です。
治安は比較的良く、英語が実用語(公用語はマレー語)になっているので、英語ができれば生活ができます。インターナショナルスクールが充実しており、教育目的の移住も人気です。医療レベルも高く、日本語の通訳がいる病院も多いので安心です。
東南アジアの中では、マレーシアは経済成長が進んでいて所得水準が高く、先進国の仲間入りを果たそうとしています。
物価
物価は今まで紹介した国の中で最も安く、日本よりも安いのが特徴です。ざっくり日本の3分の2くらいのイメージです。
特に不動産の賃料が安いのが特徴で、首都のクアラルンプール市内でも、家賃5万円ほどでプール・ジム付きのタワーマンション(高層のコンドミニアム)の1LDKに住むことができます。
リッツ・カールトン・レジデンスのような高級ホテルブランドのサービスレジデンスでも100平米1LDKで、大体20万円ぐらいで住むことができます。
ビザの取得条件
マレーシアは比較的ビザが取得しやすい国の一つです。
MM2H(Malaysia My Second Home)という長期滞在ビザの制度があり、取得も容易であることからよく使われています。
しかし、コロナ禍においてMM2Hの新規発給が停止し、2021年の10月から発給が再開したものの、以前に比べて取得条件がかなり厳しくなってしまいました。以前に比べて、必要な収入や資産の金額がざっくり「4倍」になりました。
・マレーシア国外からの収入が月に4万RM(約120万円)
・年間で48万RM(1,440万円)以上必要
・デポジットとしてマレーシアの銀行に100万RM(約3,000万円)を預け入れなければならない
など、かなり条件が厳しくなっています。
マレーシアでタックスメリットを活かしつつ、ビザを取得する場合、ラブアン島というマレーシアの経済特区に法人(ラブアン法人)を設立し、就労ビザを取得するという方法もおすすめです。
税率
・法人税
マレーシアの一般法人税率は24%で、比較的安い方だと言えます。一方、ラブアン法人の税率は、たった3%です。
ラブアン島に事務所を構えるなどの経済的実体要件を満たす必要はありますが、かなり大きなタックスメリットを享受することが可能です。
ラブアン法人が、マレーシア法人と大きく違う点は、
「原則、マレーシアで店舗を開くなどの事業展開ができない」という事です。
ラブアンはマレーシアが外貨を得るために設置した経済特区であり、基本的にマレーシア国外から収益を上げることを求められます。
ラブアン法人ではマレーシア国外から収益を上げる必要があるので、インターネット関連ビジネスやコンサルティング、貿易、金融などの業種がおすすめです。
特にインターネット環境さえあれば、どこでも仕事ができる、事業が回せるという方には、おすすめの移住方法です。
・個人の税金
個人所得税は、0~28%の累進課税となっています。そして、マレーシアは投資家の方にとっては税制が非常に有利です。
まず、株やFXなどの金融所得に対しては原則非課税であり、なんと仮想通貨も非課税です!
シンガポールの場合は1年以上の長期保有が非課税の条件でしたが、マレーシアの場合は短期・長期関係なく、基本的に仮想通貨の個人取引利益は非課税となっています。仮想通貨取引を活発に行う方にとって、マレーシアは非常に魅力的な国で、実際に多くの仮想通貨投資家が移住をしてきています。
生活コストも安く、税制のメリットを受けながら快適に過ごすのであれば、マレーシアが一番です。
実際に日本人が移住したい国ランキングでも、マレーシアは常に上位に来ています。
第1位 ドバイ
ドバイは税金面が他と比べても評価が高いのね♪
ビザも取りやすいなんて以外ね〜♪
住みやすさ
ドバイは砂漠の上にできた都市なので、たまに砂嵐があったり、夏は気温が40℃を超えたりするので、気候面はデメリットもあります。灼熱になる夏は、他の国で過ごすという方も多いです。
ドバイの人口構成は、高所得な外国人が8割以上を占めており、治安は非常に良いです。英語が実用語として使われており、教育や医療も比較的高水準です。
地理的には、ヨーロッパ・アフリカ・アジアの中心に位置しているので、各国に移動しやすいというメリットもあります。複数国向けにビジネスを展開している場合には、そのハブ機能をドバイに設置するのも良いでしょう。
ただし、日本との時差は5時間あるので、日本向けのビジネスをするには時差が気になるところです。
物価
物価は日本よりも高いです。ドバイは砂漠の国なので、基本的に物資を輸入に頼っており、物価は比較的高くなります。
一方で、不動産の賃料はそれほど高くありません。不動産は東京よりも安いぐらいです。
世界で最も高いビルとしても有名なブルジュ・ハリファでも家賃20万円ほどから住めてしまいます。
自動車に関しては、関税がなく比較的安いです。UAEでは石油が取れるので、ガソリンは非常に安いです。自動車が安い上に富裕層が多いので、ドバイの街中ではたくさんの高級車が走っています。
ビザの取得条件
UEAには「フリーゾーン」という特区があり、外国人100%株主で法人を立てることができます。もちろんドバイにもいくつかのフリーゾーンがあります。そこで法人を設立すると就労ビザの取得が可能です。
また、不動産投資ビザもあり、ドバイの決められたエリアで不動産投資をすると取得できます。
さらに、コロナ禍においてテレワークが進んだことによって、「日本や他の国の企業に勤めながらお給料をもらいつつ、ドバイでテレワークをする」という方向けの「バーチャルワーキングプログラム」という1年更新のビザもできました。
税率
ドバイでは、法人税、個人の所得税、投資益への課税、仮想通貨も含めて基本的に課税がありません。まさに”税金天国”です。ただし、VAT(日本で言うところの消費税)はあります。
ドバイは世界で最もタックスメリットが大きい国であり、とにかく税金を安くしたいという目的が優先であれば、ドバイは非常に魅力的でしょう。
海外移住において、投資家やトレーダーの方が、タックスメリットを最重要視した場合、ドバイを選ぶ方が多いのも納得ですよね。
番外編 モナコ
住みやすさ★★★★☆
物価☆☆☆
ビザの取得条件★☆☆☆
税率★★★★★★★★
合計13点 / 20点
モナコは治安がとても良いのね♪
世界中のセレブが集まる国なんて憧れるわ♪
住みやすさ
モナコは地中海に面しているリゾート地なので、冬でも10℃前後と温暖で、夏はカラッとして非常に過ごしやすい環境です。
治安の良さについては世界トップクラスで、国民1人当たりの警察官の人数が世界で最も多いと言われております。
国土面積は、日本の皇居約2個分と小さい国ですが、周りはフランスに囲まれ、すぐ東にはイタリアがあり、EU各国へはパスポートを見せずに行き来ができるので、窮屈さや移動の不自由を感じることはありません。
モナコは歴史的に社交界が発達をしており、世界中のセレブや富裕層が集う場所でもあります。
住んでいる人たちは、桁違いの富裕層が多く、富裕層の密度は世界一と言われています。
物価
モナコの物価はとても高いです。特に不動産は世界で一番高いと言われており、家賃100万円でも30平米ほどの小さい家にしか住めません。
ビザの取得条件
モナコのビザ取得条件は非常に厳しく、特に収入や資産の条件は世界で最も厳しいと言われています。
形式上は50万ユーロ(約6,800万円)〜100万ユーロ(約1億3,500万円)ほどをモナコの銀行にデポジットすればいいと言われていますが、それ以外にも年間の収入や資産の状況、モナコで暮らすに相応しい品格を備えているかなど、いろいろな審査があります。仮に移住する事ができたとしても、高い家賃や生活費がかかるので、その出費を余裕で賄えるぐらいの資産や収入がないと生活は厳しいでしょう。
モナコに住む人の最低年収の基準は1億円と言われています。1億円あっても満足のいく生活が送れないというのがモナコという国です。
税率
基本的に外国資本の法人は、法人税や所得税が無税になります。税金的にはドバイと並んで非常に優遇されています。
タックスメリットを享受しながら、世界トップクラスの人たちとモナコで切磋琢磨したい、そういった人たちに出会いたい。そういった方にはモナコもおすすめなので、ぜひ検討してみてください。
タックスメリットを活かした「資産を守るための海外移住」を行っております。
タックスメリットを享受するためには、法人設立・就労ビザの取得・不動産投資家ビザの取得による移住を推奨しております。
法人設立・移住サポートもお任せください。
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