FSIGMA株式会社 海外移住コンサルタントの山本聖です。
目次
- ドバイの魅力とは
- ビザの種類
- フリーゾーンの設立
- 不動産ビザ
ドバイの魅力とは
UAEは経済特区「フリーゾーン」を設置し、「外資100%で法人が設立可能な上に、個人所得税や投資益課税が存在せず、法人税も最大9%(フリーゾーン法人は条件を満たせば0%)」という大きなタックスメリットを享受できます。
人口の80%が外国人で、富裕層が多く治安が良好。全ての学校がインターナショナルスクールで、教育環境が整っています。
メリット
- 比較的高水準な生活環境、治安も良い
- 投資益課税、個人所得税などが無くタックスメリットが大きい
- 比較的ビザの取得が容易である
- 英語が使える
- ヨーロッパ、アジア、アフリカの中心に位置し、各方面へ移動がしやすい
デメリット
- 日本との時差は−5時間で、ビジネス連絡が若干しづらい
- 物価が高い
- 砂漠気候で、夏は40度を超え灼熱となるほか砂嵐が度々発生する
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 人口 | 989万人(2020年/世界銀行による)約80%が外国人 |
| 面積 | 83,600㎢ |
| 首都 | アブダビ(アブダビも首長国の一つ) |
| 通貨 | ディルハム(Dh / AED) |
| 時差 | 日本との時差は−5時間 |
| 民族構成 | アラブ系及び外国人 |
| 主要言語 | 英語、アラビア語 |
| 宗教 | イスラーム教(人口全体の約75%) |
ビザの種類
ドバイへ移住するには居住可能なビザ(ドバイに永住権はない)を取得する必要があります。
①就労ビザ(フリーゾーン法人設立)
フリーゾーンに法人を設立し、就労ビザを取得する方法。最も一般的な移住方法です。
②不動産ビザ
ドバイの不動産を購入(ローンは原則使用不可)することで得られる長期滞在ビザ。
③バーチャルワーキングプログラム
コロナ禍に新設されたプログラムで、国外企業で就労しながらドバイでテレワークを行うための滞在ビザ。ただし、日本の税務上の非居住者要件を満たすことはできないと解釈されています。
タックスメリット重視の場合:「①就労ビザ(フリーゾーン法人設立)」または「②不動産投資ビザ」が一般的です。
タックスメリットを最大化したい場合は、フリーゾーン法人設立と就労ビザの取得がセットで最も効果的です。ただし2023年以降の税制変更により、要件を満たさないと法人税9%が課税される点に注意が必要です。スキーム設計は必ず専門家と一緒に確認しましょう。
フリーゾーンの設立
フリーゾーンとは
外資優遇のための経済特区で、法人を設立して自身を役員として雇用することで就労ビザを取得できます。就労ビザ保有者の家族は扶養ビザの取得が可能です。
フリーゾーンはUAE全体で約40箇所、そのうち約25箇所がドバイにあり、「外資100%(1人株主・1人役員)で法人設立が可能」です。
収益目安: フリーゾーン法人を活用して十分にタックスメリットを享受できる収益の目安は、年間粗利益で5,000万円以上となります。
【2026年最新】タックスメリットと税制(2023年以降の変更点)
法人税(2023年6月〜)
2023年6月、UAEに法人税9%が新設されました。ただし課税対象は課税所得がAED 375,000(約1,500万円)を超える部分のみです。
フリーゾーン法人の0%優遇(条件付き)
フリーゾーン法人が「適格フリーゾーン法人(QFZP)」の認定を受けた場合、適格所得に対して引き続き0%税率が適用されます。ただし、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- UAE国内に実質的な拠点(オフィス・従業員・運営コスト)を保有していること
- 非適格所得が総収益の5%以下であること
- 毎年の監査済み財務諸表の提出(2025年より義務化)
- 移転価格税制への準拠
「フリーゾーン=自動的に無税」は2023年以降は誤りです。実態のない休眠法人や条件を満たさない法人には9%が課税されます。ご自身のスキームが要件を満たすかどうかは、専門家へのご確認を強くお勧めします。
個人所得税・キャピタルゲイン税・相続税
ビザを取得してドバイ居住者になった場合、個人の所得税・仮想通貨を含む投資益・相続に対する課税は引き続き0%です。日本(所得税最大55%・相続税最大55%)と比較した場合の大きなアドバンテージは変わっていません。
VAT(付加価値税)
2018年よりVAT 5%が導入されています(日本の消費税10%の半分)。フリーゾーン法人同士の取引にはVATが課せられますが、UAE国外からの売上については対象外となるものがほとんどです。
大企業向け:DMTT(国内最低補完税)2025年〜
グローバルグループ年間売上が€750億(約1,200億円)以上の多国籍企業グループに対しては、2025年1月よりDMTT(国内最低補完税)が適用され、実効税率が最低15%になるよう補完課税されます。中小・中堅企業には影響しません。
出典:UAE Federal Tax Authority(連邦税務局)(参照日:2026-05-04)
出典:PwC Tax Summaries – UAE Corporate Tax(参照日:2026-05-04)
メインランドでの事業について
「メインランド(UAE内)での事業は原則不可」となっており、国外またはフリーゾーン内法人との取引から収益を立てる必要があります。メインランドでの事業展開をお考えの場合は、メインランド法人の設立が必要です。
ビザ取得と銀行口座開設
法人名義の銀行口座開設には、原則として取締役がビザとエミレーツID(ドバイの住民カード)を取得している必要があります。ビザを取得せず法人を設立しただけでは口座開設が困難です。
ビザとエミレーツIDを取得すると、個人の銀行口座も開設可能です。指紋登録や健康診断が必要であり、銀行口座開設までを含めて「合計2〜3週間程度はドバイに滞在していただく必要」があります。
ビザ維持条件: 定期的にUAEに入国する必要があります。就労ビザの場合は6ヶ月に1回、投資家ビザの場合は1年に1回。空港のイミグレーションを通過すれば良いため、トランジット中に一旦入国してすぐ出国することでも問題ありません。
年間登録料について
フリーゾーン法人を維持するには「年間登録料を毎年支払う必要」があります。ドバイの最も安いフリーゾーン「IFZA」の場合は、年間約8,700USD(約130万円)の登録料がかかります。この年間登録料が実質的な税金になっています。
登録料が安いシャルジャなどドバイ以外の首長国のフリーゾーンでもUAE共通の居住ビザが取得できます。
登録料の他にもバーチャルオフィスの賃料や会計監査費用がかかるため、「年間250万円は維持費がかかる」と考えておきましょう。法人設立&ビザ取得費用は200〜250万円程度が目安です。
ドバイの主なフリーゾーン
IFZA(International Free Zone Authority)
年間登録料が最も安く、ドバイ移住目的によく利用されるフリーゾーンです。
DIC(ドバイ・インターネット・シティ)
メディア向け(CNN、BBCなど)
DMCC(ドバイ・マルチ・コモディティ・センター)
幅広い業種で利用可能
JAFZA(ジュベル・アリ・フリーゾーン)
貿易港と連携しやすく、大企業が多い
移住目的や事業内容によって、適切なフリーゾーンが異なります。フリーゾーン法人を活用したドバイ移住をご検討の方は、一度ご相談ください。
不動産ビザ
ドバイの決められたエリアの一定条件の居住不動産を購入することで得られるビザです。あくまでも長期滞在ビザなので就労は不可ですが、投資活動は可能です。購入した不動産は自身で居住せず、賃貸に出すことも可能です。
主な条件(2年更新の場合)
- 75万AED(約3,000万円)以上の居住用不動産に投資すること(※以前は100万AED以上でしたが、2022年に条件緩和)
- 一定の資産もしくは1万AED(約40万円)以上の月収(国外含む)があること
- 6ヵ月以上連続してドバイ国外に渡航しないこと
注記: 1AED(ディルハム)≒40円換算(目安。最新レートはご確認ください)
5年更新ビザ
200万AED(約8,000万円)以上の不動産を購入すると、5年更新の不動産ビザ申請が可能になります。
不動産ビザに付帯する家族ビザについては、配偶者及び21歳未満の未婚の子供(女性は21歳以上でも可)が申請可能です。両親は1年更新の家族ビザのみ申請が可能です。
ドバイ不動産の魅力
ドバイは経済成長に伴い、不動産市況も好調で、投資先としても魅力的です。不動産の譲渡益課税や印紙税、固定資産税などが無く、実質的な利回りが高くなりやすいです。長期保有で大きなキャピタルゲインを狙うことも可能です。
UAE非居住者は基本的に不動産ローンを組むことができませんので、不動産ビザを申請する際には一括払いで購入するのが一般的です。最近はビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨でも不動産を購入できるようになっています。
不動産ビザは就労不可ですが、投資活動は自由に行えます。キャピタルゲイン非課税・賃料収入非課税というメリットを活かしながら、資産形成の拠点としてドバイを活用するケースが増えています。ご自身の資産規模・目的に合わせた最適なビザ選択について、まずはご相談ください。
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