マレーシアの富裕層向け長期滞在ビザ!PVIPの紹介

富裕層をターゲットとした長期滞在ビザは、タイ、シンガポール、ポルトガルなどでも採用されていますが、マレーシアにおいても富裕層向け長期滞在ビザが採用されました。

本稿は、マレーシアの富裕層向け長期滞在ビザ(PVIP)について解説いたします。

目次

富裕層向け長期滞在ビザ「PVIP」とは

富裕層外国人の誘致を目的としたマレーシアの新たな長期滞在ビザ「プレミアム・ビザ・プログラム(PVIP)」が導入され、2022年10月1日に申請受付を開始しました。

マレーシアには、既存の長期滞在ビザとして、5年更新の長期滞在が認められる
「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)」があります。

PVIP発給後もMM2Hは制度として併存します。

PVIPは、マレーシアと国交のある全ての国の富裕層を対象とする長期滞在ビザという位置付けで、取得者は20年間の長期滞在が可能であることが最大の特徴です。

主な、申請の注意点は下記です。

  • 申請条件として年齢制限はありません。
  • PVIPの取得者は、マレーシアでの事業経営、就労、就学が可能という利点があり、目的を問わず不動産購入が認められるほか、特定分野への積極的な投資も許可されます。
  • 配偶者、子供(20歳以下)、両親、義理の両親、家政婦を帯同者とすることが可能です。
    *21歳以上の子供は帯同者とみなされず、別途PVIP申請が必要となります。
  • 申請者と帯同者は、健康保険加入および無犯罪証明書提出が義務付けられます。
    5年ごとに更新手続きが必要で、その際、パスポート確認、個人情報更新、健康診断などが義務付けられています。
  • 必要申請費用は非常に高額で、最低収入条件と最低デポジット条件があります。

必要申請費用
申請者本人:20万リンギット(約680万円)
帯同者 :10万リンギット(約340万円)/人
例:ご夫婦で申請の場合、合計30万リンギット(約1,020万円)
*2024年10月時点:1リンギット(MYR)=34円計算(以下同様)

最低収入条件
海外収入が月4万リンギット(約136万円)または年間48万リンギット(約1,632万円)以上であることが求められます。

【最低デポジット条件】
最低100万リンギット(約3,400万円)の定期預金を預ける必要有り
(1年間は引き出し不可、1年経過後は不動産購入、医療、教育などを目的として、最大50%まで定期預金口座から預金を引き出し可能。)

なお、PVIPとMM2Hを合わせた長期滞在ビザの発給数に制限があり、マレーシア国民の総数の1%(約32万人)までを上限とされています。

ハムザ内務相は、初年度に最低1,000人の申請数獲得を目標に掲げるとして、下記の発言をしました。
「2億リンギットの歳入と10億リンギットの定期預金獲得を目指す。PVIPは外国直接投資の増加や経済発展、マレーシア現地人材の雇用機会創出につなげたい。また、リンギットに対する需要も高まり、リンギットの貨幣価値も強化される」

PVIPとMM2Hビザとの比較

MM2Hのシルバー(5年のビザ)、ゴールド(10年のビザ)は就労が不可ですが、PVIPとMM2Hプラチナはともに20年間のビザで就労が可能であるという特徴があります。以下はPVIPとMM2Hの最上級プラン(プラチナ)の比較です。

申請条件PVIPMM2Hプラチナ(2024年更新ver)
①申請可能年齢年齢制限なし申請時点で25歳以上
②収入条件月40,000MYR(約136万円)以上なし
③資産証明なしなし
④マレーシアの銀行での定期預金額100万MYR(約3,400万円)
1年経過後は、不動産取得、医療、教育目的で最大50%の引き出し可能
100万USD(約1.5億円)
1年経過後は、不動産取得、医療、教育目的で最大50%の引き出し可能
⑤不動産の購入義務なし200万MYR(約6,800万円)以上の住宅購入義務(10年間売却不可)
⑥マレーシア滞在義務なし年間90日以上の滞在義務あり
⑦ビザの権利の有効期間5年更新で最大20年間20年間
⑧就労可能可能
⑨ビザ発行手続き費用(初回のみ)申請者本人:20万リンギット(約680万円)
帯同者:  10万リンギット(約340万円)/人
主申請者のみ 20万MYR(約680万円)
PVIPとMM2Hビザ(プラチナ)発給条件比較表 2024年10月時点


PVIPとMM2Hプラチナを比較すると、定期預金額が大きく、不動産購入も必要なMM2Hプラチナの方が、申請条件が厳しいと言えます。
しかし、PVIPの方は収入条件があります。ある程度の収入がある方はPVIPがおすすめです。一方、すでにリタイアをされていて収入を得ていない(資産があるのみ)という方はMM2Hが適しています。プラチナでも良いですが、就労が不要だと思いますので、シルバーやゴールドのプランでも十分と言えます。

PVIPとタイランドエリートビザとの比較

マレーシア
タイ

PVIPは、最大20年間滞在可能です。
これに匹敵するのが、タイのタイランドエリートビザですので、PVIPとタイランドエリートビザについて対比して解説します。

タイランドエリートビザとは、タイの法律で認められている特別な外国人長期滞在ビザのことです。

長期滞在はもとより、タイを頻繁に入出国することができ、空港のVIPレーン使用や送迎サービスなどが付帯します
通常ビザと比較すると大きく異なるビザです。

通常ビザは、シングルビザ(基本的には一回入国し、期限内でも出国するとそのビザは無効)ですが、タイランドエリートビザは、5年〜20年という長期間のマルチプルエントリービザです。

有効期間のうちに何度でもタイに入出国することができます。再入国審査は不要です。
タイランドエリートビザは、入国のたびに1年間の滞在許可が得られますが、通常のビザでは、入国の際に認められる滞在日数は60日または90日です。

1年以内に入出国すれば、また新たに1年間の滞在許可が出ますが、1年後に出国できない状況になった場合には、滞在をさらに1年間延長できる手続きを行います。

タイランドエリート4つのプラン
ゴールド(5年):90万バーツ(約405万円)*家族追加不可
プラチナ(10年):150万バーツ(約675万円)*家族追加1名100万バーツ
ダイヤモンド(15年):250万バーツ(約1,125万円)*家族追加1名150万バーツ
招待制リザーブ(20年):500万バーツ(約2,250万円)*家族追加1名200万バーツ
*2024年10月時点:1タイバーツ(THB)=4.5円

PVIPは、マレーシア国内で就労可能ですが、
タイランドエリートビザでのタイ国内での就職・就労はできません

ノマドワーク、投資など就労に当たらない活動は問題なくできます。

申請費用(夫婦2名で申請した場合)
PVIP:30万MYR(1,020万円)
タイランドエリートプラチナ:250万バーツ(1,125万円)

PVIPは、このビザで就労可能ですし、不動産購入や他の投資もできます。
タイランドエリートは、PVIPのように収入や定期預金の条件がないため、タイランドエリートビザの方が取得しやすいと言えます。

まとめ

マレーシアの富裕層ビザPVIPについて解説してきました。
このビザは結局、高額の申請費用でマレーシアでの20年間の長期滞在権を購入するということになります。

たとえ高額の申請費用を支払ったとしても、20年間マレーシアで長期滞在して生み出される効用がこの金額を上回れば、投資効率有りということになります。

弊社FSIGMAは、マレーシア移住やマレーシア不動産関連などの事業を行っておりますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。
他のビザでの移住を含め、ぜひお気軽にご相談ください。

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