コロナ禍を契機に、デジタルノマドビザを発行する国は一気に増えました。
この背景には、コロナ禍で観光客が減る一方で、場所に捉われず働けるリモートワークの方が世界中で一気に増えたことがあります。
安定して収入を得ることができるリモートワーカーを呼び込むことは、マレーシアにおいても重要な課題です。
マレーシア・デジタルエコノミー公社(MDEC)は、2022年10月1日より、
デジタルノマド(ITを活用し、働く場所にとらわれずに仕事をする人)向けの長期滞在ビザ(DE Rantau Nomad Pass)を発給しました。
マレーシアにおいては、優秀なノマドワーカーの方でも、長く滞在しようとすると、観光ビザを使用し最大90日マレーシアに滞在し、一旦日本に帰国、または他国に出国し、マレーシアに再入国するという手法が従来の形でした。
しかし、この方法では、マレーシアでの再入国審査があり、必ず再入国できる保証はなく、やむなく短期滞在に終わるということもあったため、それを解決する狙いがあります。
本稿は、今現在(2022年9月30日)判明しているマレーシアのデジタルノマドビザ(DE Rantau Nomad Pass)の内容をご紹介いたします。
マレーシアのデジタルノマドビザ(DE Rantau Nomad Pass)とは
対象者

年齢制限はなく、IT、デジタル系全般の仕事を場所にとらわれずに行うことができる
自営業者、フリーランサーなどの契約社員、テレワーカー(リモートワーカー)が対象です。
ビザの特徴

取得条件

年間収入が24,000USドル(約350万円)以上あることが必要条件です。
申請料: 本人は1,000リンギット(約31,200円)、扶養家族は500リンギットが必要です。
この取得条件は、他国の同種のノマドビザと比較して、年間収入条件がかなり低く、現実的に長期滞在を十分に考えられる条件と言えるでしょう。
マレーシアのMM2Hビザなどは、収入条件を非常に厳しくして、海外移住者を制限する方向で改正されましたが、このデジタルノマドビザはビザ取得を促進する方向にあると言えます。
マレーシアのデジタルノマドビザの申請方法
デジタルノマドビザである、DE Rantau Nomad Pass(DEランタウ・ノマド・パス)は、Professional Visit Pass(PVP)の一種で
Pas Lawatan Ikhtisas (PLIK)の中に含まれているビザです。
デジタルノマドビザの申請書類としては、業務・雇用関連証明書類が必要で、下記の2種類となります。
マレーシアのデジタルノマドビザに関するビジョン

マレーシア政府は、このデジタルノマド向け長期滞在ビザの第1段階として
首都クアラルンプール
隣国であるタイと接しているクダー州、ランカウイ島
クダー州と隣接したペナン州
をデジタルノマドの集積地として注力することを明示しており、2025年までに48億リンギット(約1,500億円)の収入を見込んでいるようです。
マレーシアの通信・マルチメディア相は、
「近隣諸国もデジタルノマドの集積地を目指しており競争激化しているが、マレーシアはインフラ整備されているだけでなく、生活費も比較的安く、多文化、多言語、おいしい料理などの魅力を持つ」
と発言し、東南アジア諸国連合(ASEAN)のデジタルノマドの集積地を目指す方針を明らかにしました。
まとめ
今回は、マレーシアのデジタルノマドビザについて解説してきました。
最長2年間の滞在期間を有効に活用していけるこのデジタルノマドビザは、非常に魅力的なビザですので、条件に当てはまる方は、ぜひご検討ください。MM2Hや就労ビザと異なり、デジタルノマドビザはエージェントによる代行申請が認められておらず、申請はご本人で行っていただく必要がございます。英語ができる方はご自身で申請をしてみることをお勧めいたします。
デジタルノマドビザの申請に至るまでの書類作成等のサポートがどうしても必要であるという方には、日本語でのサポートサービスが可能な業者をご紹介させていただくことは可能です。もしご紹介をご希望の場合は、以下のお問い合わせフォームをお送りください。
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