シンガポールの一人あたりのGDPは、約6.6万ドル(約957万円)で、日本の約4.0万ドル(約580万円)よりもかなり高くアジア第1位です(2021年)。
シンガポールは、治安が非常に良く、インフラが整備され、税制面でもメリットが多くあります。
その一方、生活費が非常に高く、特に住居費が高額であることなどのデメリットもあります。
本稿は、シンガポールに移住するメリット・デメリットを解説していきます。シンガポール移住の検討のご参考にしていただければと思います。
シンガポール基礎情報
東南アジアのマレー半島の先端に位置し、60以上の島からなる都市国家シンガポールは、東京23区よりやや広い面積に、約570万人が暮らしています。
イギリス植民地時代からマレーシア連邦時代を経て、1965年の独立後は多民族国家として特徴ある文化を形作っています。今では、ASEAN諸国のビジネスや世界経済を牽引する存在感のある国になっています。
赤道付近の緯度に位置するシンガポールは、常夏の気候です。非常に過ごしやすい国です。
1年は、乾季(4月〜9月)と雨季(10月〜3月)に分かれ、雨季でも長雨が続くことはなく、集中的に短時間スコールが降るだけです。
シンガポールの民族は、中華系75%、マレー系15%、インド系9%で構成されています。
また人口の約4割は、外国籍保有者です。
仏教、イスラム教、キリスト教、ヒンズー教など多様な宗教がある影響で、食文化が多彩で、豊かな食生活を享受できます。
また、シンガポールは、他の東南アジア諸国と同様、外食文化なので、外食産業が発展しています。
公用語は、英語、中国語、マレー語、タミール語で、日常生活やビジネスの場では主として英語が使用されます。
シンガポールの英語は、多民族国家の影響で、シングリッシュと呼ばれる訛りのある英語です。
シンガポール移住に必要な主なビザの種類
シンガポールは、いわゆるリタイアメントビザがないために、移住するためには、就労ビザを取得するのが通常です。
EP(エンプロイメントパス)
現地法人を新規設立し、設立法人からEP(エンプロイメントパス)を申請して、就労ビザを取得する方法がまずあります。
また、日本での事業の全部、一部をシンガポールに移転しシンガポール法人を設立し、当該シンガポール法人からEPを申請する方法もあります。
EP取得後、政府が定める一定の期間の後に永住権を申請することも可能です。
シンガポール人の雇用義務はありません。
Sパス
通常の従業員用の就労ビザです。
収入条件や学歴条件がEPよりもかなり軽減されています。
GIP(グローバルインベストメントプログラム)
通常はEPを取得後、一定期間の後に永住権申請を行いますが、永住権申請を速やかに行う方法がこのGIP(グローバールインベストメントプログラム)です。
対象者は年間売上S$50ミリオン以上の事業をシンガポール国外で3年以上行っている実績のある企業家なので、ハードルは非常に高いです。
アントレパス
アントレパスは、学歴や資本条件が就労ビザ申請条件を満たしていないが、シンガポールで新事業を起業したい人向けのビザです。
EP申請時には必要な大学卒業等の条件はありませんが、資本金要件などはあります。
シンガポール移住のメリット
治安が非常に良い
シンガポールは、治安が非常に良いことで知られています。
政府、国民共に、犯罪抑止に対する意識が非常に高いです。
シンガポールには、ホームレスは存在せず、ゴミを道に捨てると処罰されるなど、規律正しい国家を目指しています。
この考え方が治安の良さに結びついていると思われます。
したがって、シンガポールは治安面で安心して住める希少価値のある国と言えるでしょう。
公共交通機関が発達している
シンガポールは、東京23区よりやや広い面積です。
MRT(地下鉄)網が国内中に整備され、バス路線も張り巡らされています。料金も日本と比較して安いです。
また、タクシーの初乗り運賃も安く(400円程度)使い勝手は非常に良いです。
シンガポールのチャンギ国際空港は、24時間稼働のハブ空港となっていますので、ビジネスや観光に非常に便利です。
英語が通じる
シンガポールの公用語は、英語、中国語、マレー語、タミール語ですが、英語と中国語が最も使われています。
英語はほとんどの人が話すことができますので、ビジネスでも生活するにおいても安心です。
自然災害が非常に少ない
シンガポールは、地震や台風などの自然災害を受けることがないので、とても安心して暮らせます。
このメリットは、自然災害の多い日本と比べ、圧倒的なメリットと言えます。
また、赤道付近の緯度に位置しながら、比較的温暖な気候なので年中過ごしやすいです。
医療レベルが高い
シンガポールの医療レベルはかなり高いです。
しかし、健康保険制度がなく全て自由診療で医療費が高額になるため、各種保険制度に加入しておく必要があります。
また、日本人の医師も増えており、この点でも安心です。
税金面で非常にメリットがある
シンガポールの法人税率は17%で、世界的に見ても低率です。
また、スタートアップ起業支援のためのスタートアップ免税制度もあり、起業しやすい環境になっています。
また、キャピタルゲイン税がなく、投資家にとっては有利です。
住民税、贈与税、相続税もありません。
更に、シンガポールで購入できる金融商品は世界中に渡っているので、投資チャンスが大いに広がっている国だと言えます。シンガポールは国家としての格付けが高く、金融機関の信用性が非常に高いので、安心して投資活動を行うことができます。
教育レベルが非常に高い
シンガポールの教育水準は、初等中等教育、高等教育共に世界的に見てもハイレベルで、日本のレベルよりはるかに高いです。
シンガポールでは、外国人はインターナショナルスクールに入ることがほとんどです。
学費はとても高いですが、インターナショナルスクールの教育水準は非常に高いです。
また、国立シンガポール大学、南洋理工大学といった大学のレベルも世界的に見て非常に高いです。
シンガポール移住のデメリット
高い物価(特に住居費)
シンガポールは、世界的に見ても物価の非常に高い国で、ローカルフードや公共交通機関以外の生活費はかなり高くつきます。特に、住居費は、国土が狭い関係でかなり高額になります。この事情は、香港と同様です。
ビザ取得が難しい
シンガポールは、民族的にも多様性があるゆえに、外国人という多様性も認める風土があり、かつては外国人を積極的に受け入れてきました。
しかし、昨今ではシンガポール人の雇用を守るため、外国人の移住に関して年々風当たりが強くなってきています。その結果、ビザの取得条件がかなり厳しくなってきています。
例えば、就労ビザであるEP(エンプロイメントパス)を取得しようとする場合、給与や経歴だけでなく、大卒が必須条件で、更に、どの大学を卒業しているのかというところまで判断材料とされます。
法律、規則が厳格
日本よりも生活していく上で、規制されている行為(喫煙、飲酒などの規制)が多いので、うっかり違反すると処罰されてしまいますので、十分に確認しておく必要があります。
国土面積が狭すぎ飽きてしまう
東京23区ほどの面積しかないので、2,3年もすれば行くところがなくなり、飽きてしまう可能性があります。
四季もないので、刺激が少なくいつも同じ感が倦怠感に繋がる可能性があります。
まとめ
シンガポール移住について、メリット、デメリットを解説してきました。
メリットとデメリットを総合的に考慮して、自分や家族が移住するのに最適と言えるかを判断していくことになります。
また、何のために移住するのかという目的次第で、個々のメリット、デメリットの重みが変わってきますので、そもそもの目的を明確に定めてから移住の可否を検討していく必要があります。
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